新築よりも値段がお手頃で、とっても魅力的に感じる中古住宅。
ただ、家を購入するなんて、そうそう経験するものではありません。人生に一度あるかないかくらいの、大きな買い物ですから。
当然、中古住宅といえども慎重に選ばなければなりません。でも、たいていの人は家を購入した経験がありませんから、何に注意して家を選べば良いのか分からないと思います。
注意すべきことを見落として、不良物件を購入したり、納得できない家を購入したり、ということがないように気をつけたいです。
まずは、自分がどんな目的で、いつ、どんな中古住宅を購入したいのかをはっきりさせておきましょう。
例えば、「今の家が老朽化しているし、子供が成長して家が手狭になったので、下の子供が小学校に入学する前に、子供二人の勉強部屋が取れるスペースを持った、駅に近くて築年数の比較的新しい物件を購入したい」というようなことです。
購入の目的や希望する家の条件が明確になっていると、自分と家族のために、最も適切な家を選ぶことができます。
では、希望する家の候補が見つかったとき、その物件を見学に行きますが、しっかりチェックして欲しいポイントがあります。どんなことに気をつければよいのでしょうか?
そこで、今回は中古住宅購入時のチェックポイントを分かりやすくお教えします。
中古住宅の見学時にチェックするべきポイント
まず、中古住宅を購入する前に必ずやっておくべきことは、その物件の見学です。前の住居人がいたとしても、交渉次第で見学させてもらえる場合が多いので、必ず自分の目で住宅を確かめてから購入するかどうかを決めましょう。
天候や時間帯によって家の不都合な点や周辺環境の問題が発見される場合もあるので、できれば違う時間帯や曜日に3~4回は見学に行くことをおススメします。
見学時のチェックポイントは7つあります。
1:建物の傾き
建物が傾いている場合、外壁や基礎・部屋の壁などに、亀裂やたるみ・隙間が存在します。一見、亀裂などがないように見えても、シールやクロスの貼り直しによって補修されている可能性もあるので、念入りにチェックしましょう。
また、引き戸や扉は何度か開け閉めをして確認することも大切です。建物が傾いていた場合には、戸や扉はスムーズに動かせず抵抗感があるでしょう。
2:床の状態
床下の木材が腐っていたり、虫の被害にあっていたり、家が傾いていたりすると必ず床に異変が出てきます。
そこで、床の上を歩いた際に床がたわまないか、ギシギシといった変な音がしないか、床下点検口がちゃんと用意されているかといったことを確認しましょう。
床の傾斜がごくわずかな場合、すぐに見つけるのは困難です。ただ気づかずにそこに住んでしまうと少しずつ健康を害していくことがあります。頻繁に頭痛を感じるようになるとか、腰が痛くなるという場合もあります。
床のかすかな傾斜は、ビー玉などを床に撒いてみると発見できます。傾斜があればビー玉は転がっていきますから。
3:雨漏れ
雨漏れがあると、シロアリがよってくるだけでなく、カビも発生し居住環境が劣悪になっていってしまうので、しっかり確認しましょう。
室内で異様にカビの生えているところがないか、天井や壁にシミができていないか、などがチェックポイントとなります。
4:シロアリ
家の寿命を一気に縮める、厄介なシロアリ。シロアリは湿度が高く暗い環境を好みます。そのため、住宅の日当たりは悪くないか、床下の地面が土の場合は触ってみて、湿っていないか、チェックしましょう。
基礎コンクリートや土台部分に蟻道(シロアリが土や排泄物で作った道、トンネルのようなものです。シロアリはここを通って餌の木材に向かうため行き来します)がないかを確認するのも大切です。蟻道は鉄製のものの上に作られることがあります。鉄骨住宅であってもシロアリの被害にあうことはあります。油断をしないことですね。
5:外壁塗装の劣化
これは一番わかりやすいと思いますが、家の塗装がはがれていないか、部分的に色が変わったりしていないか、外壁に触ると白い粉が手にたくさんつかないか(チョーキング現象といいます。これが起こる場合はそろそろ外壁を塗り替える時期に来ているということです)、といった観点でチェックしましょう。
もし、外壁塗装が劣化している場合は、塗装を塗りなおすだけで済むものか、外壁ごと取り替えなければならないのか、そのあたりもチェックする必要があります。
6:物件周辺の環境
住宅の価値は、建物自体だけではなく、周辺の環境によって大きく変わります。たとえば建物のすぐ近くに、ごみ焼却施設がある、墓地がある、下水処理施設がある、または、騒音や不快な臭いを発生させる工場ななどがある場合は、物件の不動産価値のマイナス要因となります。
物件を見に行くときは、建物の近所には何があるのか、ということも調べておく必要があります。海の近くで景色の良いことが気に入って購入したが、潮風が強く塩風害を受けやすい家だったいうようなこともあります。
また、海抜の低い土地であったため、水害の心配な場所であることが後に分かったというケースもあります。物件の周辺の環境や地理的条件もしっかり調べてください。
7:不動産に掘り出し物は存在しない
中古住宅には相場というものがあります。もし、相場よりも安い価格の物件を見つけても飛びついてはいけません。価格が安いのには必ず理由があるからです。
不動産物件の価格はすべて基本的には計算に基づいて決められています。
建物の築年数、構造、階数、間取り、設備の充実度、土地の形、最寄りの駅へのアクセス、周辺の利便性(買い物に行くのに便利か、近くに郵便局や役所があるかなど)、日当たり、静けさ、治安のよい場所か、など様々な要因によって決められています。
周辺の同程度の物件よりも価格が安いのであれば、その物件には必ず何かマイナス要因があります。
注意してしっかり見学してくださいね。
以下の動画でも見学時のチェックポイントを解説してくれているので、参考にしてください。
https://youtu.be/bSvLjrHHXhA
森保郎より:中古住宅を見に行くときの注意
また有料で住宅診断をやってもらえる場合が多いので、できれば専門家にチェックしてもらった方が確実です。
プロだけが知っている!中古住宅の選び方・買い方 [ 高橋正典(不動産コンサルタン… |
契約する際に気を付けること
まず契約書類はコピーをもらうようにし、必ず読み込んでおきましょう。
不動産や法律の専門用語が並ぶ、小難しい契約書は読む気が失せてしまうとは思いますが、しっかり目を通したうえで、分からないこと・不明な点は全部質問し、自分が納得してから契約するべきです。決して安い買い物ではないので、徹底しましょう。
契約書は大きく分けると2つ、建物そのものに関する事項と契約条件に関する事項があります。どちらかに不足がないか、書かれている内容は合っているかをチェックしましょう。
ちなみに、宅地建物取引主任者という、説明をしてくれる責任者の人は、主任者証を提示してから重要事項説明をしなくてはいけない決まりがあるので、もし提示がないときは必ず確認しましょう。
まとめ
今回は、中古住宅購入前の見学で気を付けること、および契約の際に気を付けることを必要最低限のレベルでお伝えしました。しかしこれで、物件が購入に値する家であるかどうかの基本的な判断はつくと思います。
見学の際の7つのチェックポイントは、建物の傾き・床の状態・雨漏り・シロアリ・塗装の劣化・物件周辺の環境・不動産に掘り出し物はないということでしたね。
何十年と使い続ける大切な家なので、妥協せず良い買い物ができるといいですね。