もし、あなたの大事な家族が、うつ病になったらどうしますか?
気力も体力もなくなって、うつろな目をして、どこを見ているのか分からない表情。ご飯も食べたくないという。どこにも出かけたくないという。誰にも会いたくないという。まるで別人になってしまったような・・・。
「やっぱり何かおかしい!」そう思って病院に連れていくと、うつ病との診断。
今の時代、誰もがかかる可能性のあるうつ病。うつ病になった家族にはどうしたらよいのでしょうか?
もちろん、その家族が早くうつ病から回復できるようにすることです。そのためには注意するべきことがあります。うつ病になった家族との接し方をお話しします。
家族がうつ病になったとき
うつ病には、病気になりたての時期・だんだん病気が治っていく時期・再発を防ぐ時期、の3つの時期があります。きっとこの文章を読んでいる方は、ご家族が病気になりたての時期(急性期といいます)の方が多いのではないでしょうか。
この急性期は一番症状が重くつらい時期です。うつ病の人々は否定的な考えしかできなくなってしまいますが、これは患者さんの本心ではなく、さまざまな原因によって大きなストレスがかかった結果、脳がポジティブな思考をすることができなくなってしまった状態なのです。つまり、うつ病は脳の病気といっても過言ではありません。
うつ病になった家族の方から否定的な言葉ばかりかけられて、自分自身もネガティブになってしまいがちですが、そういった否定的な言葉は本心ではないので、真に受けないようにしましょう。
また、「がんばって治そうね」や「気分転換に旅行でもいく?」「お散歩する?」といった励ましの言葉や誘いというのは、うつ病の人にとって逆効果となります。家族が応援してくれているから、がんばら「なければ」いけない、という思いに駆られてしまいます。誘いも、せっかく誘ってくれたのに断ってしまった、という罪悪感にさいなまれます。
ただ、一人きりにしてしまうのも危険です。どんどんネガティブな思考にはしり、最悪の場合、生きることを捨ててしまうかもしれません。
なので、急性期は特別なことをせず、一緒にご飯を食べ、生活するのが一番です。また、病院へは家族の方もついていってあげたほうが良いです。専門家のアドバイスに従ってゆっくり治していきましょう。
また、だんだん病気が治っていく時期(回復期といいます)に入ったら、遊びや気分転換の誘いなどをしていって大丈夫です。回復期においては、なぜうつ病が発症してしまったのか、その原因を振り返り、そして再発しないよう対処法を考えることが大切です。 ただ、うつ病が発症した原因を振り返ることは、本人にとってつらいことなので、慎重に原因を探りましょう。
あなたの大切な人が「うつ」になったら [ 小野一之 ] |
家族の接し方 注意点
普段の会話において、自分が意図せずとも、うつ病の家族を苦しめている場合があります。先ほど述べたような、励ましの言葉以外にも、うつ病を軽視するような発言は絶対に禁句です。
以下の動画で具体例を用いて説明してくれているので参考にしてみてください。
片田智也:うつ病の家族への接し方「意外な禁句」
まとめ 穏やかにゆっくりと見守ってあげる
うつ病には、なりはじめの急性期、だんだん病気が治っていく回復期、再発予防をする時期の3つの時期があり、急性期では普段通り一緒に過ごして、否定的な言葉をかけられても真に受けないことが大切でした。そして回復期では、うつ病の原因を探り、再発予防につとめるのでしたね。
家族がうつ病になった場合、周りの人たちは、本人を穏やかに、ゆっくりと見守ってあげるという姿勢が大切です。
うつ病をはじめとするこころの病気は、風邪などの普通の病気と違って症状が分かりにくく、また、家族の方も連鎖的にこころの病になってしまう場合が多いです。これも注意をしなければなりません。
ほとんどの心の病気は、ストレスから発症しますが、ストレスは物の見方・考え方を少し変えるだけで軽減されます。完全に病気になってしまう前に、普段から前向きな考え方を心掛けられるといいですね。