とにかく、トイレが近い。おまけに夜中にも何度もトイレに起きてしまう。
こんな人は意外に多いものです。頻尿ですね。しかも40歳以上の70%の方が夜間のトイレの回数が1回以上というデータもあります。
夜中にトイレに起きるのが億劫なので、夜はできるだけ水分を摂らないという方もいます。でもこれは、健康のため、特に脳梗塞の予防としては良くないですね。
脳外科のお医者さんは、寝る前に水を飲むことを推奨しているくらいですから。
でも、やっぱりトイレが近いから、夜間に水を飲むのを控えたいと思うかもしれませんね。水分は摂らないといけないけど、摂るとトイレの回数が心配。どうしたらよいのでしょうね。
そこでまず、今回はトイレが近くなってしまう頻尿の原因と対処について探っていきます。
トイレが近くなる病気
トイレが近くなる頻尿の原因として考えられる病気には次のようなものがあります。
何度もトイレに行く女性に多く見られるのは、やはり「膀胱炎」です。膀胱炎の初期症状はトイレが近くなることなのです。急性膀胱炎・慢性膀胱炎・間質性膀胱炎・出血性膀胱炎があります。
急性膀胱炎
急性膀胱炎は細菌感染で起こることが多いです。尿道が長い男性より尿道が短い女性は、肛門や膣に常駐している細菌が尿道に入り込んで膀胱に到着して膀胱炎になってしまう事があります。
身体が健康であれば抵抗力が十分に備わっているため排尿とともに細菌も一緒に出てしまいますが、無理なダイエットや風邪・過労・ストレスなどで抵抗力が弱まっていると感染しやすくなります。
感染すると1日に数十回とトイレに行ったり、排尿時には激しい痛みがあったり、尿が白く濁ったり、血尿が出るということが起こります。
治療は抗生物質などを飲んで約2週間位の期間が必要となります。
慢性膀胱炎
慢性膀胱炎は上記で説明したことが原因で起こっているのですが、急性膀胱炎をきちんと治療していないことによって慢性化するのです。再発しやすく、身体の疲労で症状が出ることがあります。治療が長引く傾向があります。
間質性膀胱炎
慢性膀胱炎の1つです。膀胱に尿が溜まると下腹部や陰部に痛みが出ます。尿意や残尿感が1日に何度も起き、時にはそれがとても強いため、仕事や生活に影響することがあります。原因が分からず治療も難しい病気です。
出血性膀胱炎
尿に血が混じるウイルス性の病気です。子供がかかりやすく、血が混じった尿を見て子供がビックリしてしまい、怖くて症状を口にしないことがあります。
もし、トイレから出てきた子供の様子がおかしかったら本人に確認しましょう。もしかしたら出血性膀胱炎の疑いがあるかもしれません。
過活動膀胱
過活動膀胱は男性でも女性でも起こり得る病気です。
突然トイレに行きたくなり、尿意を我慢できないため、漏らしてしまうこともあり、精神的に大きな不安を抱えてしまいます。
男性の場合:前立腺肥大症という病気を持っている方に多いのです。女性の場合:出産経験をする事で骨盤底筋が弱くなり過活動膀胱を起こしやすくなります。
腎臓機能低下
腎臓は血中の老廃物をろ過し、尿として排泄する働きをしています。腎機能が低下すると、トイレが近くなります。また、身体にむくみも出ます。
尿の色が濁って泡立っていると腎臓の機能が落ちていることが考えられます。さらに進むと慢性腎炎になってしまいます。
これは中高年に多くみられる病気の1つです。ほとんどの方に自覚症状が無いため、症状が進行してしまい、発見したころには尿毒症や人工透析が必要になってしまう可能性のある怖い病気です。
自覚症状が無いため見つけることが困難な病気の1つです。日頃から尿の色やむくみのチェックトイレの回数の増減に注意しておくことが必要です。
糖尿病
糖尿病になると頻尿になります。尿量が増えるので、昼夜を問わずにトイレの回数が多くなります。
これは血糖値を下げるために腎臓が過剰に機能してしまうからです。トイレの回数が増えると今度は体内の水分量が減ります。すると喉が乾いて水分をたくさん摂りたくなります。
この繰り返しにより頻尿になり、トイレの回数が増えます。
上部尿路感染症
腎臓から尿道口までを尿路と言いますが、ここが細菌に感染するものを尿路感染症と呼びます。腎臓が中心の感染症を上部尿路感染症、膀胱が中心の感染症を下部尿路感染症と言います。上部尿路感染症では、頻尿・発熱・排尿痛・血尿・嘔吐などの症状がでます。
下部尿路感染症
トイレの回数が多くなり、排尿時に痛み・尿が濁る・微熱などの症状がでます。気づきにくい場合もあります。原因は大腸菌による感染が多いです。
病気以外でトイレが近くなる原因
◆冬はトイレが近くなる
寒くなると、体の表面付近の血管は、体温が下がらないように収縮します。すると体の中心部の血液量が増えます。つまり、血液をろ過している腎臓を流れる血液も増えるので、尿もたくさん作られるのです。その結果、トイレが近くなってしまいます。
また、冬場の寒い時期は、汗の量や体から蒸発している水分も減っています。その分の水分も尿として排出されるため尿量が増えることになります。
さらに、体が冷えると膀胱の筋肉が収縮しやすくなり、トイレが近くなります。これは夏にプールに行って、体が冷えた時にも尿意を感じるのと同じですね。
◆心臓の機能低下
心臓の機能が低下すると体の血液循環が悪くなるので、下半身の血液の流れがスムーズではなくなり、昼間、下半身がむくみます。夜、眠る際には体は横になりますから、腎臓に一気に血液が流れ込み、尿量が増えるので夜中にトイレに行きたくなります。
◆加齢による頻尿
年齢を重ねるとトイレが近くなります。男性・女性共に70~75歳では、トイレが近くなっている人が多いです。
これは膀胱の筋肉の質が低下したことが原因です。
若い時は筋肉が柔らかいため、ある程度の尿量を膀胱にためることができますが、年とともに筋肉が衰えて硬くなり沢山の尿を溜めることが出来なくなってしまうのです。
他にも男性であれば前立腺肥大症からトイレが近くなることも考えられます。
※こちらの動画では頻尿に効果のある簡単な体操が解説されています。
頻尿を改善するために
トイレの回数が多いと、出かけた際はトイレを探さないといけませんし、水分も十分に摂れなくなってしまいます。尿漏れや尿失禁が気になって、外出できなくなることもあります。
そんな憂鬱なことにならないように、頻尿の改善方法、対策を考えてみましょう。
・体を温める
トイレが近くなる原因のところでも述べたように、体が冷えるとトイレの回数は増えてしまいます。
身体を内部から温めることが大切です。体を温める作用のある飲み物や食べ物を積極的に摂りましょう。(しょうが湯・薬味・香辛料など)
入浴はシャワーだけで済ますのではなく、ぬるめのお湯にゆっくりつかるのがおススメです。体の芯から温まります。
背中やお腹・腰を温めると体全体が温まりトイレの回数は減ります。筆者は寒い時期には、お腹と背中にカイロを貼ります。
カイロを付けた時と付け忘れた時ではトイレの回数がだいぶ変わりますのでお試しください。
・利尿作用のある飲み物を控える
排尿を促す作用のある、アルコールやカフェインの入った飲み物(コーヒーなど)は控えた方がよいです。
・適度な運動を取り入れる
身体の筋肉が熱を生み出しています。毎日、あるいは定期的に運動をすることによって筋力をアップし、維持することで基礎代謝を上げることができ、体は温かくなります。
・朝食はきちんと摂る
食事は人間のエネルギー源です。どんなに忙しくても朝食はきちんと摂りましょう。朝食を摂らないと体は熱源不足になります。
・ストレスや緊張を開放する
強いストレスや緊張は自律神経を乱して、身体の冷えを生みます。普段から日頃のストレスや緊張から自分を解き放せる時間を作るようにしましょう。(好きな音楽を聴く、マンガを読む、運動をする、趣味に没頭するなど)
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まとめ
体が冷える時や寒い時期、トイレが近くなってしまうのは致し方ないことですが、大事な時にトイレが近くなってしまうと困ってしまいますよね。
それが病気が原因でないかというのも心配です。
体が冷えないようにし、運動や食事もキチンとしているのに頻尿が改善されない場合、トイレがあまりにも近くて気になっている場合は、頻尿の陰に大きな病気が隠れていることもあります。
まずは泌尿器科の医師の診断を受けることをおススメします。