脳梗塞とは、脳の血管が詰まったり、脳の血流が極端に悪くなることで、そこから先の脳細胞が酸素不足や栄養不足に陥り、脳細胞が活動を停止すること、あるいは停止に近い状態になることです。
脳梗塞は生命にも関わる重大な病気です。もし脳梗塞を起こして一命を取り留めても、身体が不自由になる後遺症が残ってしまうケースが多いです。
しかし、困ったことに最近は脳梗塞を発症する人がどんどん増えています。もはや他人事ではありません。
この恐ろしい脳梗塞から身を守るために、まず、脳梗塞の前触れをチェックし、脳梗塞を予防できる食べ物について考えてみましょう。
脳梗塞の前触れ(前兆)
脳梗塞の前触れ(前兆)を見逃さないでください。
下記のような症状に気がついたら、一刻も早く救急車を呼んでください。脳梗塞の治療は時間を争います。早く治療を始めるほど軽く済みます。
・舌がもつれる、ろれつが回らない、しゃべりにくい
・急に言葉が出なくなる
・顔にゆがみが出る(顔の筋肉に力が入らなくて垂れ下がって見えます)
・食事のとき箸を落とす
・茶碗の中身をこぼす、茶碗を落とす
・普段のように字が書けない
・片方の手足に力が入らず、痺れが起きる
・ものが二重・三重に見える
・片方の目が見えにくい、見えない、視野が狭くなる
・歩くとフラフラしてつまずく
・まっすぐ歩こうとしても片側に寄っていく
・足が持ち上がらないので、階段を上がりにくい
・人の話していることが理解できない
・よく寝ているのに強い眠気がある
・異常に大きな音でいびきをかく
※こちらの動画が、脳梗塞について分かりやすく解説してくれています。
脳梗塞の症状
血流が止まってしまいダメージを受けた脳の部分により現れる症状は異なります。脳梗塞の主な症状には以下のようなものがあります。
・麻痺
最も多い脳梗塞の症状が麻痺です。
右脳がダメージを受けた場合は左半身麻痺、左脳がダメージを受けた場合は右半身麻痺というように脳のダメージを受けた反対側に麻痺が起こります。これは脳からの神経が首のあたりで交差する形になっているためです。
右半身に力が入らないというような運動麻痺などが起こります。
・感覚障害
脳がダメージを受けたことで、指先に冷たいものが触れても分からなかったり、臭いを感じなくなったりという、五感の感覚が鈍くなったり無くなってしまうことを感覚障害と言います。脳梗塞ではこの感覚障害がおこることがあります。
・高次脳機能障害
脳梗塞によって記憶力・集中力・言語などに障害が出ることを高次脳機能障害と言います。
新しい事が覚えられなかったり、理解力が欠如したり、直前までやっていたことを忘れたり、行動異常が起こったりと、日常生活にさまざまな支障をきたします。
・構音障害
脳梗塞になると、舌や唇が運動障害を受けて、上手く動かせなくなり、言葉の発音が困難になることがあります。特に舌を使って発音する「タ行」「ラ行」が難しいです。
・嚥下障害
脳梗塞により、食べ物や飲み物をうまく飲み込めないという嚥下障害を起こすこともあります。嚥下障害が起きると、気管に食べ物が入り込んでしまい肺炎になる誤嚥性肺炎になる心配も出てきます。
※脳梗塞後のリハビリ、訓練に
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脳梗塞の予防に役立つ食べ物
脳梗塞は血管の病気です。脳梗塞を予防するためには血管の健康を保つことが大切です。もっとも自分でコントロールしやすいのは、食事内容でしょう。
血管の健康を維持するのに役立つ食べ物を知って、食事内容を見直していきましょう。
◆ドロドロ血液をサラサラにする「酵素」
酵素を取り入れると体内の消化酵素量が増加します。消化酵素は粘ついた血液をサラサラの状態に導いてくれます。なので、酵素を摂取することで血管が詰まる危険性を低くできるのです。ただ酵素は時間がたつと減ってゆきます。酵素が含まれる食品の効果的な摂り方は、やはり新鮮なうちに食べるということです。生野菜などは刻んだらすぐに食べたいですね。
酵素を多く含む食品 バナナ・キウイ・リンゴ・大根・キャベツ・納豆・味噌・ 醬油など
◆イオウ化合物の1種「アリシン」
アリシンは、玉ねぎやニンニクなどの香りの強い野菜に含まれる辛み成分。
アリシンは動脈硬化の改善に効果があります。コレステロールを取り除き、血管拡張作用があるので、血液の循環も良くなります。さらに過熱されたアリシンには血栓ができるのを抑制する作用もあります。
「アリシン」を多く含む食材 玉ねぎ・ニンニク・にら・らっきょう・エシャロットなど
◆納豆菌に含まれる酵素「ナットウキナーゼ」
納豆のネバネバ成分「ナットウキナーゼ」は血栓を溶かしてくれます。それで血液がサラサラになるので高血圧を予防できます。さらに、ナットウキナーゼは血中コレステロールを下げてくれるので、脳梗塞の予防にも良いわけです。
「ナットウキナーゼ」を多く含む食材、当然、納豆ですね。
1日1パック(50g)程度を食べれば、血栓予防には効果的です。
◆青魚に多く含まれる 「DHA・EPA」
青魚に多く含まれる必須脂肪酸「DHA・EPA」は、血液をサラサラにしてくれることで有名ですね。
「DHA(ドコサヘキサエン酸)」血液をサラサラにするとともに血管を柔軟にしてくれます。
「EPA(エイコサペンタエン酸)」血小板の凝固作用を抑えてくれる働きがあるので、動脈硬化を予防し、血管を若々しく保ち、血栓ができるのを抑えてくれます。血管の力強い意味方ですね。
「DHA・EPA」を多く含む食材 さんま・あじ・イワシ・マグロ・カツオ・ハマチ・うなぎなど
◆高い抗酸化作用をもつ「ポリフェノール」と「セサミン」
「ポリフェノール」植物の樹皮や種子などに含まれています。抗酸化作用があり、動脈硬化の原因になる過酸化脂質ができるのを抑制してくれます。
「セサミン」ゴマの種子の含まれる抗酸化物質。血液のドロドロを改善し、高血圧動脈硬化の予防に効果があります。
「ポリフェノール」を多く含む食材 ブルーベリー・赤ワイン・リンゴ・生姜・玉ねぎ・大豆・ブロッコリーなど
「セサミン」を多く含む食材 ゴマ(ごま油・ごまペースト・すりごま)
◆水分の補給
普段水分をしっかり摂取していると、血液が粘るのを予防できます。まめに水分を補給してください。基本的すぎることですが、水をしっかり飲んでくださいね。
まとめ 脳梗塞に負けないために
脳梗塞は多くの日本人に起こる怖い病気です。だからといって怖がってばかりいても仕方がありません。自分の命と健康を守るため、積極的に脳梗塞の予防手段をとっていきたいですね。
もし脳梗塞になっても治療開始が遅れないように、脳梗塞の前触れとしてはどんなものがあるのかを知っておくことが大切です。そして万一、脳梗塞の前触れに気付いたら、すぐに救急車を呼んで病院に行くことが重要です。
脳梗塞を予防するためには、ふだんから生活習慣や運動、食事などに気を配った生活を送ることが大切といえます。
脳梗塞の予防法としては、体に悪いことをしないという点で他の生活習慣病と同じです。禁煙をする、お酒を控える、そして太らないということです。
さらに適度な運動、食事に気をつけることが積極的な脳梗塞の予防になります。
今回の予防法は脳梗塞の予防に役立つ食べ物についてお話ししました。ぜひこれらの食品を摂りいれてみてください。
日常的に食べるのが難しいものはサプリメントなどを利用するのも賢い方法ですね。