「埋没耳」という言葉、聞いたことがありますか?
あれ、うちの赤ちゃんの耳を良く見たら、「なんか形が変かも?」「耳の上半分がペチャンコになってない?」「少し形がおかしい?」なんてことはありませんか?
じつは、筆者は埋没耳の手術経験者です。
物心ついた時から耳の形に悩み、近視になってからはメガネがすぐに外れることに悩んでいました。風邪などをひいた時もマスクが上手く耳にひっかからなくて困っていました。
でも、現在は大丈夫ですよ。手術を受けたお蔭です。メガネもマスクも何の苦労もなくかけられて快適です。
今回は赤ちゃん・子供の埋没耳の実態や、その治療法・手術についてお伝えしますね。
埋没耳とは
日本形成外科学会(体の形を治してくれる手術をする人やそれに関わる人たちの学会です)によると
という内容の説明がされています(一部筆者のほうで分かりやすく修正しています)。
埋没耳は、マスクやメガネがかけにくそうな耳の形になっているので、一見して分かると思います。ご自分の赤ちゃんがそうなっていないか、よく見てあげてください。
生まれたときに埋没耳が起こる頻度は約0.25%、およそ400人に1人です。先天的な変形がおこってしまう疾患の中では比較的起こりやすい疾患であるといえます。耳の後ろ側にある筋肉になんらかの異常が起こって、このような埋没耳になってしまうと考えられています。遺伝的な要素もあると指摘されています。
埋没耳は形だけが普通と違うだけで聴力には問題がありません。その点はご安心ください。
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埋没耳の治療法
そもそも、埋没耳は耳の聴こえ方に影響するわけではないのですが、メガネやマスクをかけることが困難であるといった生活に支障をきたす場合や、見た目が気になるというときには治療が行なわれます。
埋没耳の治療は、大きく分けると、装具による矯正治療と手術治療にわかれます。
歯の矯正のように、装具を使って耳の形を直してあげよう、というのが矯正治療です。一般的には満1歳以下で行なわれることが多いです。
ただ、矯正治療は耳の皮膚の余裕が少ない場合はきちんと行えませんし、軟骨そのものの変形を完全には直すのは難しいです。
また、矯正するための装具の素材が皮膚に合わなくて、かぶれてしまったりする場合があるので、定期的な医師の診察や相談が必須です。
矯正治療でうまく治せなかった場合や、2~3歳以降になってから初めて病院へ行った際には、手術を行なう場合が多いです。3歳~小学校入学前までに行なわれることが多いです。
手術の方法はいろいろあり、変形の程度や皮膚・軟骨の状態などお子さんに合った方法を選ぶ必要があるので、しっかり医師と相談をして決めましょう。手術の方が大変ではありますが、その分根本的に直すことが出来る可能性が高いです。
まとめ 埋没耳の一番の問題はコンプレックス
埋没耳は形が変形しているだけなので、耳もしっかり聞こえますし、大したことがないと思われるかもしれません。もちろん、マスクやメガネはかけにくいですし、お面もかぶりにくいです(笑)
ですが、埋没耳は、その形ゆえに本人に大きなコンプレックスを抱かせます。私は、成人してから手術を受けたのですが、それまではずっと髪を長めにして耳が見えないように隠していました。
激しいスポーツはメガネがすぐに外れてしまうために敬遠していましたし、自分は普通ではないと思って、色々なことに自信が持てませんでした。
埋没耳を治す手術を受けてコンプレックスが無くなり、耳を見せるヘアースタイルを選ぶこともできるようになりました。術後に包帯を取った日、自分の生まれ変わった新しい耳を見た時、本当に嬉しかったのを覚えています。
何か自分の弱点を隠して生きていくのは辛いことです。もし、あなたのお子さんが埋没耳であれば、早めに治療を受けさせてあげてください。
1歳未満なら矯正、それ以降の年齢や矯正が上手くいかなかったときは手術を受けることをおススメします。手術は意外と簡単ですよ。まず、医師としっかり相談してみてください。