みなさんのお宅のお子さんの中で、やっと言葉を覚えて会話できるようになったのはいいけれど、うまく話せずどもってしまっている、なんて子はいらっしゃいませんか?
親としては、このままどもってしまったらどうしよう、と心配になりますよね。
実は、私の二人の子供もそれぞれ3歳頃に吃音の時期がありました。それで結構心配したのですが、今はもう普通に話せています。
子供の吃音は直ります。安心してください。
今、お子さんの吃音で悩んでいる、そんな方のために今回は吃音の正しい知識と対処法をお伝えします。
そもそも吃音って?
吃音(きつおん)は、一般的に「どもり」と言われているものです。ただ、どもり、という言葉は差別的なニュアンスを含むため、吃音(きつおん)と呼ばれるようになりました。
この吃音の約9割は、発達性吃音と呼ばれるもので、2~5歳で発症します。他にも、獲得性吃音といって脳や神経が傷ついてしまったり、強い精神的なストレスがかかったときに起こってしまう吃音もあります。
また、吃音といっても種類が3つあります。
例えば、おはよう、と言おうとしたとき
◆「お、お、お、おはよう」と言葉の最初を繰り返してしまい、なかなか言葉が出ないタイプ(連声型)
◆「・・・・・おはよう」と、思いついてから言葉が出るまでに時間がかかるタイプ(無声型)
◆「おーーおはよう」と、言葉の最初を伸ばしてしまうタイプ(伸発型)
以上の例のように、スムーズに言葉を発することができないことを、吃音といいます。
吃音は直すべき?
お子さんに吃音の症状がみられたとしても、すぐに直す必要はありません。通常は、3歳ごろから発症し、自然に直っていく場合が多いです。
この時期に、無理矢理話し方を矯正しようとしたり、怒ったりしてしまうと、それが精神的なストレスや恐怖になって、吃音がひどくなる可能性が高いです。
治療を検討すべき状態としては
・子ども自身が吃音を気にしてしまい、人と話すことに対して不安や恐怖を感じ始めている
・6か月以上吃音が続いている
・吃音が出る頻度が以前より増している
・学業や生活に支障をきたすほど吃音がひどい
・5歳を過ぎても吃音が治る兆しがみられない
などがあげられます。多くの項目に当てはまるようであれば、専門家(言語聴覚士など)に相談しましょう。
吃音の直し方
吃音の直し方はいくつかありますが、今回は3つの方法をお伝えします。
1:深呼吸をする
吃音の子供は早口であったり、話そうという気持ちが先走ったりしてしまう傾向にあるので、まずは深呼吸をして落ち着かせると、ちゃんと話せるようになることが多いです。また、これは大人になっても有効なので、小さいうちから呼吸の仕方で落ち着く練習ができると、のちのち役に立つと思います。
2:抑揚をつけて話す
海外での研究によると、抑揚をしっかりつけて話すことによって吃音が改善するという結果がでています。なので、吃音になりやすい言葉や文章でも、しっかり抑揚をつけるように意識しましょう。
※こちらの動画では吃音と抑揚の関係について解説されています。
吃音治療.TV:吃音が出ない話し方と、出てしまう話し方
3:吃音を指摘して叱らない
言葉がどもっていても、3歳くらいの幼児は、自分では吃音をあまり意識していません。
そこで親が「ほら、また、どもっているわよ!」「駄目じゃないの、気をつけてきちんと話しなさい!」などとと言うのは、止めましょう。これは絶対にいけません!
子供は自分の吃音を悪いことだと思っていないのに、親や周りの者が指摘したり叱ったりすると、子供は話すときに自分の吃音を意識して緊張するようになります。「これは良くないことだ。上手く話さいなといといけない」と思ってしまうわけですね。
ですから、子供に吃音が出ても、大人は普通の表情をして平静を保ってください。あまりに短時間に何回もどもるときには、「ゆっくり話してね!」と声をかける程度がいいでしょう。
吃音を指摘したり叱ったりすると、子供はプレッシャーを感じ、余計にどもるようになってしまいます。これは気をつけましょう。
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まとめ 幼児の吃音はほとんど心配ない
いかがでしたか?
吃音といっても、3つのタイプがあり、3歳ごろに吃音が出るのはごく普通のことで、すぐ直そうとするのはよくないのですね。
また、もし吃音の程度がひどくなる場合や、なかなか直らない場合は、家で無理に直そうとするのではなく、専門家に相談するのが正解です。
大人であっても、緊張しているとき、あわてているときには、言葉が出なくなったり、どもったりというのはよくあることです。子供の吃音は、まずは静かに見守ってあげること、そして、子供にプレッシャーをかけないことですね。たいていの場合、幼児の吃音は自然に直っていきます。