「アスペルガー症候群」という言葉を耳にしたことはないでしょうか?
人と上手く付き合うことや周りの空気を読むのが苦手で、社会生活をスムーズに送るのが難しいのがアスペルガー症候群です。
「うちの夫、どうしてあんなに自己中なの?」
「旦那と話をしても会話がギクシャクする!」
「夫はこだわりが強すぎて、すごく扱いにくい!」
もしあなたがそんなことで悩んでいるのなら、あなたの夫はアスペルガー症候群かもしれません。
今回は、夫がアスペルガー症候群と診断されたとき、あなたはどう接すればよいのか、どんな対応した方がよいのかを考えていきます。ではまず、アスペルガーの特徴をお伝えしたいと思います。
アスペルガー症候群の特徴とは?
アスペルガー症候群は自閉症のひとつと考えられています。一種の発達障害でもあるのですが、言葉や知的な部分の障害はないので、周囲からは「付き合いにくい人」「変わり者」だと誤解されることがあります。
アスペルガー症候群の特徴は、
1.他人と社会性を持つことが苦手
2.他人とコミュニケーションをとることが苦手
3.興味が限定され、こだわりが強い
となっています。
一見すると、大した障害でも問題でもないと思われますが、アスペルガー症候群は、友達を作ることができなかったり、理解してくれる人がいなかったりと、孤立してしまう可能性があります。
また、本人は悪気がないのに人を怒らせる言動をしてしまったり、チームで行なう仕事ができないという場面も出てきます。
本人は一生懸命に努力して頑張っているのに、「誰もわかってくれない」「人づきあいが上手くできない」ことになり苦しんでしまいます。
この障害を持つ人は、現在は小さな子供だけでなく思春期の子供や社会人にも多くいます。
アスペルガーは、具体的にどういったことなのか?
・その場にふさわしくない言動を取ってしまう
例えば、お葬式で、皆が涙を流している時に、思わず笑ってしまったり、静かにしないといけない時に大きな声で話してしまうなど、その場の状況や雰囲気に合わせた振る舞いが出来ない事です。
・他人とのコミュニケーションや言葉のキャッチボールが上手くできない
相手がその話を理解していなくても、一方的に話をする傾向があるので話がかみ合いにくいです。
・言葉の表現で不適切なことを言ってしまう
言葉を遠回しに表現することが苦手なので、思ったまま発言してしまい、言い方がキツくなって相手を傷つけたり、ひんしゅくを買うことがあります。
・話が急に飛ぶ
相手に話が理解しやすいように話すということが苦手なため、自分のペースで話題が急に変わります。
・相手の気持ちを想像するのが苦手
自分の言葉や行動が相手にどんな影響を与えるのか想像するのが苦手なので、その場の状況に応じた行動が難しい。
・話しだすと止まらなくなる
自分の興味のある事について、話し始めると夢中になって止まらなくなる傾向があります。
・こだわりが強く、マイルールがある
自分の興味のあることにはこだわりが強く、作業の手順やモノの置き場所なども変えることを嫌います。無理に変更しようとすると癇癪(かんしゃく)を起こしたり、混乱してしまうこともあります。
・集中しずぎてしまう
興味のあることを始めると、恐ろしいほど熱中し、周囲の状況が目に入らないことがあります。適当なところで止めるということができません。
※アスペルガーの人たちの特徴や付き合い方はこちらの動画が参考になります!
アスペルガーの夫にどう接する?
アスペルガー症候群の人は、こだわりが強く、他人とのコミュニケーションをとるのが苦手です。
ですから、アスペルガー症候群の夫を持つ妻は、かなり心理的に苦労することになります。
夫は物の整理が上手くできないですし、自分の行動パターンを乱されるとすぐに怒りますし、話し合っても会話のキャッチボールが成り立たない、ということがあるからです。
こういった症状のある相手と夫婦として、生活ができるのか不安になることもあると思います。
でも大丈夫ですよ。上手な接し方を考えていきましょう。
・あなたの夫が、アスペルガー症候群と診断されたとき、一番大切なことは
「世間一般の夫と比較しない」ということです。
あなたは、夫の言動に「なぜ、この人はこんなことを言うの!」「どうして、こんなことをして私を困らせるの・・・」と悩むことが多いと思います。
ですが、アスペルガー症候群の人は、他人の気持ちを理解したり共感することが苦手です。そんな夫を「普通の夫はこうなのに・・・」と世間一般の夫と比べると、あなた自身が余計に苦しくなります。
あなたの旦那さんは、好きでアスペルガーになったわけではありません。わざとあなたを困らせる行動しているでもありませんよね。
個性のひとつだと思って、そのまま受け入れてあげることが大切です。
・アスペルガー症候群の夫には、具体的な話をしましょう。
「あいまいな言い方」や、「誰でも分かっている常識」は通用しません。
ご主人に何か頼みごとをして、本人が忘れていても素直に謝りません。「頼まれてない!」と開き直られてしまう事もあります。
頼みごとやお願いをする場合は、口頭だけでは忘れてしまうかもしれません、メールやメモなどを使ってしっかりと伝わるようにしましょう。
そして、いつ・どこで・誰が・何を・どのくらい・どのようにするのかを具体的に伝えるのがいいですね。
アスペルガーの夫は、自分の関心のある事に興味を示しますが、その他のことには無関心です。ですから、会話が成立しないことも、少なくないのです。そのような場合
・接し方は、まず、相手の話をしっかり聞く姿勢を取りましょう。
自分が話している時に夫が聞いていないと感じた時は、何の話をしているのか、話がどこまで進んだのか、少しずつ確認をしながら、話を聞く姿勢を身につけてもらうようにしましょう。
ここで、焦ってはいけません。
ご主人は、コミュニケーションを取ることが苦手なので、社会生活においても上手く実行できないことが多いと思います。
奥様が、気長に夫婦のコミュニケーションを取るよう心がけていれば、ご主人も少しずつ社会生活を問題なく送れるようになっていきます。(これって内助の功ですよね。)
・アスペルガー症候群の方はモノを片付けるのが苦手な場合が多いです。
一人で片付けをさせるのではなく、「一緒にかたづけようか!」とコミュニケーションを取りながら、不要なものを整理したり、モノを一定の場所に戻すという練習をしましょう。
ご主人を大人の男性と期待せずに甘やかし過ぎない程度に手なずけるようにしてみましょう。
小さな子供に教えるように、優しく話しましょう。頭ごなしや大声で言うと、相手は傷ついてしまいますので。
アスペルガーの夫がいる場合、奥様が頑張りすぎないことも大切です。
夫の弱い部分をカバーしようとして妻が無理をし過ぎると、家庭生活自体が壊れてしまう可能性があります。
奥様はときどき、ご主人と離れる時間を持つことです。一人で外出したり、趣味の時間を作ったり、友達とランチに行くのもいいですね。
※アスペルガーに悩む家族へ。再生のヒント
旦那さんはアスペルガー奥さんはカサンドラ [ 野波ツナ ] |
アスペルガーの治療法は?
アスペルガー症候群の根本的な治療法は、残念ながらまだ確立されていません。
ですが、患者さんが社会生活をできるだけスムーズに送れるように、症状を軽くする心理療法による治療などが行なわれています。
アスペルガー症候群の方は日常生活の中でストレスを感じていますので、そこから精神的な問題が出てくることがあります。その精神的症状を改善するために薬による治療も行なわれます。
アスペルガー症候群の疑いが見られたら、「発達障害外来」・「アスペルガー症候群外来」がある大学病院や総合病院に行くことをおススメします。
でも、「近くにそんな所ありません!」という方も多いかもしれません。では、どこで診てもらえばよいのでしょうか?
それは、「精神科」ですね。場合によっては、数か月先まで予約が入っている場合もありますので、確認をしてください。
他にも各都道府県に「発達障害者支援センター」が設置されています。ここでは、成人のアスペルガー症候群についても対応してくれます。
まとめ 二人で生きていく
アスペルガー症候群の夫を尊重しつつ、妻として寄り添って生きていくのは、かなり大変なことです。
ですが、アスペルガー症候群の方にとって、周りの理解は欠かせません。あなたが悩むように、ご主人も悩み苦しんでいます。
長い道のりになるかもしれませんが、どうかご主人のことを理解し、サポートしてあげてください。
けれども、あなた自身が心を病んでしまうのは避けなければなりません。適度に息抜きをしながら、一生懸命になりすぎないことも大切です。
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