突然、匂いが全く分からなくなったら・・・、あなたはどうします?
これは私の身の上に実際に起こったことです。
ある日、妻が赤ちゃん(生後数か月の娘)のそばにいて、こう言ったのです。
「このコ、やったんじゃない?」
「ニオイがするもの!」
私は、赤ん坊のお尻のあたりに鼻を近づけて、クンクンしてみました。
「何言ってるの!全然ニオってなんかいないよ!」
「ウソーっ、こんなにクサいのに!パパの鼻がどうかしてるよ!」
と言いながら、妻は赤ちゃんのおむつをめくって見せました。
なんと、そこには黄色いものが、見事に存在していました。
「ほら、やっぱりしてるじゃないの!」
私はもう一度、その黄色い物体にさらに近づき鼻をクンクンさせてみましたが、何のニオイも感じられません。
ゲゲッ、鼻がおかしくなった。
そうです。私はある日突然、良い匂いも、クサい臭いも分からなくなったのでした。
それから私はどうなったと思います?
この後も読んでくださいね。
今回は、急に匂いが感じられなくなる嗅覚障害についてお伝えします。
においが分からなくなる原因
においを正常に感じ取れなくなる症状を嗅覚障害と言います。
まさしく私がなった症状です。
あの時は、どんなにおいも感じなくなったので、本当にあせりました。
嗅覚障害では、においが分からなくなる、においが分かりにくくなるというものが多いのですが、 少しの嫌なにおいでも耐えられないほどの悪臭に感じてしまう嗅覚過敏という症状や、
良い香りを嫌な臭いと感じる症状の嗅覚錯誤などもあります。
においが分からなくなる原因を探ってみましょう。
・鼻が詰まっている
鼻が詰まってしまうと、鼻の奥にある、においを感じる粘膜まで、においの粒子が届かなくなり、においが感じられなくなります。
風邪などで鼻が詰まっている場合は、
風邪が治って鼻が通れば、当然においも分かるようになります。
・加齢
年齢が上がってくると当然色々な器官の機能が低下していきます。視力が低下したり、耳が聞こえにくくなったりですね。
同じようににおいも分かりづらくなっていきます。
・ストレスにさらされている
強いストレスにさらされると、人間の体は感覚器官の感受性を弱めて、受けるストレスをやわらげようとします。
ストレスの元を取り除く必要があります。
・病気によるもの
においが分からなくなる原因となる病気もあります。
※副鼻腔炎で匂いが分からなくなったとき、ほかにもこんな症状が・・・
風邪・アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎が嗅覚障害の原因になることが多いですが、
頭に何らかの問題がある場合も嗅覚障害になることがあります。
頭部の怪我・脳外科手術・脳腫瘍・パーキンソン病・アルツハイマーなどの影響で
神経経路に問題が起こることでもにおいが分からなくなります。
じつは嗅覚障害とアルツハイマーが関連していることを確信した出来事がありました。
私の知人で花の栽培を仕事にしている方がおられます。70歳過ぎの男性です。
この方、匂いが分からなくて、1年以上病院で治療をされていました。
医師には、「トシなので治らないかもしれない」と言われたようです。
でも、本人は「花の香りが分からないと商売に差支える」
と言って諦めずに治療に通っていました。
ところが、この男性、アルツハイマーになってしまったのです。
物忘れがひどくなり、注文伝票や仕事の道具などの置き場所も分からなくなったようです。
匂いが分からなくなった時、アルツハイマーの前触れである場合も考えられます。
医師にしっかり相談してください。
治療法は
においが分からなくなる嗅覚障害の治療は早く始めるほど良いです。
匂いがわからないと気付いて3か月以内に治療を始めれば半数以上の方は治ると言われています。
匂いが分からないと思ったら、すぐに病院に行きましょう。
嗅覚障害には点鼻薬使う治療をメインに行ないます。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、鼻中隔湾曲症(鼻が曲がって鼻呼吸がしにくい状態)が原因になっている場合は、それらの治療が必要です。
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嗅覚障害は一般的に治療に時間がかかります。気長に治療することが大事です。
また、点鼻薬だけではなく、漢方薬やサプリメントを使うと早く回復する方もいます。
亜鉛が不足していると嗅覚障害になりやすいとも言われています。
亜鉛を補給することによって、嗅覚障害が早く改善したという例もあるようです。
お医者さんに相談してみて下さい。
まとめ 私の嗅覚障害は治りました!
私は、自分の嗅覚の異常に気がついた時、
思いつく限り、色々なニオイをかいで試してみました。
コーヒーのリラックス感のある香り、カレーの食欲をそそる匂い、キムチの美味しそうなニオイなどなど。
かなり強烈なはずのニオイも、私は全く感じることができなくなっていました。
甘ったるい香りの香水を手首に垂らして鼻をこすりつけましたが、
何のニオイもしませんでした。
においを感じなくなってみてわかったのですが、
においが分からないと、食べ物が全く美味しくないです。
美味しさがいつもの半分以下という感じでしょうか。
コーヒーにはコーヒーの香り、カレーにはカレーのスパイシーな香り、キムチにはキムチの発酵したニオイがあるからこそ 美味しく感じられるのですね。
ニオイが分からないいと食べ物が不味いというだけではなく、さらに危険だということも分かりました。
ガス漏れしていても気づきませんし、煮物の鍋が焦げていても分かりませんし、
悪くなった食品も食べてしまうかもしれません。腐敗臭が分からないのですから。
私ももう少しで傷みかけた牛肉を食べてしまうところでした。
妻に確認してもらって食べずに済んだのですが・・・。
においを普通に感じるということは、とても大事なことだったのですね。
もちろん嗅ぎたくないニオイ、感じたくないニオイもあります。
足のニオイ、腋臭のニオイ、口臭、ゴミ置き場のニオイ、きつすぎる香水のニオイ・・・などなど。
でも、ニオイのない世界はすごく味気ないですよ。
あえて表現すれば、色彩豊かなカラーの世界が突然、モノクロの世界に変ったような感じでした。
匂いが分からなくなって2、3日後に、かかりつけの内科の医師のところに行きました。
少しの間、自然に治るかなと様子を見ていたのです。
医師は
「原因がよく分からないから副鼻腔炎の薬を出しておきます」
「もし、良くならなかったら、○○耳鼻咽喉科に行ってください」
そう言って、その耳鼻科の地図をくれただけでした。
内科の医師が出してくれた薬を全部飲んでしまっても
相変わらず匂いは全く分からませんでした。
でもすぐに耳鼻科には行かずに、様子を見ることにしました。
何日か経った頃、ある瞬間、ふっとニオイを感じることに気がつきました。
「あっ、今、カレーの香りがした」
「これは香水の匂いだ」
そんな瞬間が少しずつ増えてきました。
これはもう治るかもしれないと思い嬉しくなったのを覚えています。
結局、ひと月半くらいで、私の嗅覚障害は自然に治りました。
でも、1か月くらいは本当に嫌な気分でしたね。
ニオイが分からなくなったら、かかりつけのお医者さんではなく、
耳鼻科の専門の病院に行くことをおススメします。
早く治療を開始した方が、治る確率が高いですし、別の病気が隠れていることもありますから。