高血圧の人が減塩するというのはもはや常識ですね。
ところが減塩食を続けているけれど、血圧が下がらないという話をよく聞きます。
何故でしょうか?
1つには、その方の高血圧が食塩感受性高血圧ではないということ。
つまり塩分に反応しない、食塩非感受性高血圧であるということ。
そして、もう一つの理由は
血圧を上げる食品が他にもたくさんあるということです。
食事の塩分さえ減らせば高血圧にならないわけではないのです。
その塩分さえも、思わぬものにたくさん含まれていたりします。
「えっ、こんなものが高血圧の原因になるの?」と、
びっくりするような食品が沢山あります。
これから紹介する食べ物はあなたの血圧を上昇させてしまうかもしれません。
このことを知って、今後の高血圧への取り組みに役立ててくださいね。
血圧を上げてしまう食べ物はなに?
これからあげる食べ物は、血圧を上げてしまう可能性が高いです。
血圧を上げたくない方は、できれば食べない、食べる回数を減らすなどの工夫をした方がよいです。
◆インスタント食品・レトルト食品
カップ麺やインスタントラーメンをはじめとするインスタント食品やレトルト食品。
手軽に手間をかけずに、すぐに食べられますが、
これらの加工食品には美味しく感じさせるため、味をはっきりさせるために
化学調味料がたくさん含まれています。
インスタント食品やレトルト食品を食べていると知らないうちに化学調味料に含まれるれるナトリウム(塩分)を摂ってしまうことになるのです。
その結果、血圧は上がってしまいます。
また化学調味料はについては摂りたくないという人もいます。市販の調味料を使うときは、「化学調味料無添加」「グルタミン酸ナトリウム不使用」と表示されたものを選ぶといいですね。
◆コンビニ弁当・コンビニおにぎり
コンビニで売られている弁当やおにぎりを食べた時、味覚の敏感な方はきっと味が濃いなと感じるでしょう。
お察しの通り、これらもしっかりした味を出すためや賞味期限を長くするために味が濃くなっています。
つまり多くの塩分や糖分が使われています。
後で述べますが、じつは糖分も摂りすぎると血圧を上げてしまうのです。
◆スナック菓子
カリカリ、ポリポリとした食感で子供から大人まで人気のスナック菓子ですが、
じつは血圧を上げる要素を沢山持っています。
まず、使われている塩分が多いということ、そして、糖分も多いものがかなりあります。
できればあまり食べない方がよいでしょう。
カルシウムは血圧を下げる効果のある栄養素の一つですが、
スナック菓子に多く含まれているリンはカルシウムを体の外へ排出してしまうので
結果的に血圧を上げてしまいます。
◆塩蔵品(えんぞうひん)
塩蔵品という言葉はあまり聞いたことがないかもしれませんが、
簡単に言うと、塩漬けにした食べ物のことです。
・魚の干物
・塩漬けわかめ・塩こんぶなど
・塩辛などの珍味類
これらは長期保存できるように加工段階で塩分を多く使った食品です。
血圧のことを考えると食べないのが無難ですが、何としても食べたい方は、
塩抜きが可能なものは塩抜きをしてから食べるようにしましょう。
塩抜きとは塩漬けされた食品を水の中に浸けておいて塩分を減らすことです。
魚の干物などの場合は、真水で塩抜きするとうま味も逃げてしまいますので、
1~1.5%の塩水に1、2時間つけておきます。
その後、クッキングペーパーで余分な水分を取ってから調理すればよいですね。
◆練り製品
ゴボウ巻やはんぺん、ちくわにヒラ天と、おでんに欠かせない練り製品ですが、1食あたりの塩分量は1g以下と言われています。
ところが好きな人は食べ過ぎてしまうきらいがあるのです。また蒲鉾などに醤油をたっぷりつけて食べている方もいます。
こちらも食べすぎに気を付けましょう。
◆漬物
和食の好きな人なら漬物も欠かせないですね。
ところが漬物は、やはり塩分を多く含んだものが多いので注意です。
塩分が多く含まれている漬物の食塩量を見てみましょう。
漬物名 | 食塩相当量(g) |
梅干し | 22.1g |
ザーサイ | 13.7g |
ヤマゴボウ味噌づけ | 7.1g |
生姜酢漬け | 7.1g |
高菜漬け | 5.8g |
キュウリぬか漬け | 5.3g |
福神漬け | 5.1g |
うーん、予想はしていましたが、梅干しはダントツで塩分量が多いですね。
今は減塩梅干しなども売られていますが、昔ながらの製法で作られた本格梅干しは塩分がとても高いです。
食べるときは必ず薄い塩水で塩抜きをしてから食べてくださいね。
梅干し500gを薄い塩水(水2リットルに塩小さじ1を入れて混ぜたもの)に浸けて一晩置いておきます。
その後、ザルにあげ5時間ほどおいておけば食べられます。
◆麺類の汁(スープ)
例えばラーメン1人前には塩分が6~7g含まれています。
血圧の高い方が目標にすべき1日の塩分量6グラムをラーメン一杯で超える勢いです。
ラーメンの汁を飲まなければ
塩分は2~3gに抑えられます。
◆カレーライス
カレーライス1人前の塩分量は、市販のルウを使って作った場合約2.3g。
「カレーライスの塩分量って大したことないじゃない!」と思うかもしれません。
ところが、カレーはお代りをする人がとても多いのです。あるいはルウを沢山かけるとか。カレーライスについている福神漬けにも塩分はありますし。
結果的にかなりの塩分を摂ってしまいがちです。
減塩したい場合は、ルウの分量を減らし、野菜(玉ねぎやナス、インゲンなど好みの野菜)の分量を増やし、カレーの風味は減らしたくないので、
カレー粉を好みの量を入れて味を調えます。
◆外食
一般的に外食は美味しく食べてもらえることに重点が置かれていますので、
塩分・糖分・動物性脂肪と何でも入っています。
一部の健康食の専門店は大いに気を使って料理を提供してくれますが・・・。
何より外食は、塩分などの量をこちらでコントロールできません。
血圧が高い人は、外食をできるだけ減らした方がよいですね。
どうして食べ物が血圧を上げるのか
具体な食品は先度述べましたので、食べ物の何が血圧を上げるのかもう一度考えましょう。
・塩分の多い食べ物
塩分の多い食品を食べると血液内の塩分濃度も上がってしまいます。
すると血液の浸透圧を保つために血液の中に水分が移動して、塩分が濃くなった血液を薄めようとするのです。
そうなると、血液量が増え、血管にかかる圧力が増した状態、血圧が高くなってしまいます。
食品の塩分量表示の欄がナトリウム量で書かれている場合があります。
塩分の換算式は次のようになります。参考にしてください!
食塩相当量(g)=ナトリウム量(mg)×2.54÷1000
・カロリーの高い食べ物
カロリーの高い食品は、当然、肥満を引き起こしやすくします。太るということは、体が大きくなることなので、血液量も多くなります。
その血液を体のすみずみまで送り届けるために血圧が高くなるのです。
また肥満すると血液中の脂肪も多くなり、動脈硬化になりやすく、血管の内部が狭くなり高血圧を招きます。
・動物性脂肪の多い食べ物
こってりとした肉料理、美味しいですね。あの脂が、たまらないです。
牛肉や豚肉などに含まれている動物性脂肪は、人間の体にとってエネルギー源となる重要な栄養素ですが、摂りすぎるとコレステロール値が上がり、血液がドロドロの状態になっていきます。
そして、血液の流れが悪くなるため血圧は上がるのですね。
・糖分の多い食べ物
口にするとなぜか幸せを感じる甘い食べ物。「甘いものは別腹」とも言われていますね。
でも甘いものには糖分がたくさん入っています。糖分を多く摂ると血糖値を調整する必要があるためインスリンが分泌されます。
このインスリンは血管を収縮させるので、血圧が上がってしまいます。
意外に糖分を摂りすぎることが高血圧を招くのですね。
食べ物にはそれぞれ体に良い効果を持っている半面、食べ過ぎると血圧が上がるなど健康を害するものもあるということです。
何でも食べ過ぎない、摂り過ぎない、ということでしょうか。
血圧の高い方は、今回挙げた食品を食べるときは特に注意してくださいね。